わさびです。
「ペリカンが自転車に乗るSVGアニメーションをGeminiに頼んだら、前世代より劇的に良くなった」——そんな投稿がXで話題になった。
2026年2月20日にGoogleがリリースしたGemini 3.1 Pro、その目玉機能のひとつがテキストプロンプトから動くSVGを直接生成する能力だ。
ブログのヘッダー画像、LPのアニメーション、プレゼン資料の図解——そういったものが「日本語で指示するだけ」で作れる時代になっている。この記事では実際の作り方とプロンプト例を具体的に解説する。
SVGアニメーションとは何か
まず基礎を押さえておこう。
SVG(Scalable Vector Graphics)は、XML形式で記述するベクター画像のフォーマットだ。JPEGやPNGのように「ドット(ピクセル)の集まり」ではなく、「線と図形の数式的な定義」でできている。
通常の画像との違い:
- PNG/JPEG → 解像度固定。拡大するとぼける
- SVG → 解像度に依存しない。どんなサイズでも鮮明
そしてSVGには「アニメーション」を埋め込む仕組みがある。CSSの@keyframesやJavaScriptを使って、図形を動かしたり色を変えたりできる。最終的な出力は.svgファイル1個か、HTMLに埋め込まれたコードだ。
SVGアニメーションの5つのメリット
なぜ今SVGアニメーションが注目されているのか。
1. ファイルサイズが極小
同等の動きを表現したMP4やGIFと比較して、SVGは桁違いに軽い。数百行のコードで表現できるアニメーションが、動画ファイルなら数MBになる。Webページの読み込み速度に直結する。
2. どんな画面でも鮮明
ベクターなので4Kディスプレイでも、スマホの小さな画面でも、印刷しても鮮明。Retinaディスプレイに対応するために2倍画像を用意する必要がない。
3. CSSとJavaScriptで制御できる
SVGはWebページのDOMに直接埋め込める。つまり普通のHTML要素と同じように、CSSでスタイルを変えたり、JavaScriptでユーザーのクリックに反応させたりできる。
4. テキストデータなのでバージョン管理できる
画像はGitで差分管理しにくいが、SVGはテキスト(XML)なのでGitで管理できる。チームで制作するときも便利だ。
5. ループ再生が自然
animation-iteration-count: infiniteを指定するだけで永久ループする。GIFのようにファイルサイズが爆増しない。
Gemini 3.1 ProでSVGアニメーションを作る方法
使える環境
- Google AI Studio(aistudio.google.com)— 無料枠あり
- Gemini.google.com — Gemini Advanced(有料)
- Gemini API — 開発者向け
一番手軽なのはGoogle AI StudioかGemini.google.comだ。アカウント登録さえすれば今すぐ試せる。
基本的な使い方
プロンプトを入力してEnterを押すだけ。出力されたコードを.svgファイルとして保存するか、HTMLに<svg>...</svg>として貼り付ければ動く。
実際に使えるプロンプト例5選
プロンプト1:シンプルなローディングアニメーション
ミニマルなSVGローディングアニメーションを作ってください。
3つの円が左から右に順番にバウンスします。
色はティール(#00BCD4)、背景は濃いネイビー(#1a1a2e)。
ループ再生、高品質でプレミアムな雰囲気で。
単一のSVGファイルとして完結するコードを出力してください。
プロンプト2:フローチャート図解(アニメーション付き)
AIが記事を自動生成するフローを表すSVGアニメーションを作成してください。
フロー: RSS収集 → AI要約 → 記事生成 → WordPress投稿
各ステップを四角いボックスで表し、矢印でつなぐ。
アニメーション: 上から順番にフェードインしてスライドイン。
配色はグーグルブルー系(#4285F4)、フォントはゴシック体。
幅800px、高さ400px。
プロンプト3:インタラクティブな化学反応シミュレーション
SN2反応メカニズムのインタラクティブSVGシミュレーションを作成してください。
「反応開始」ボタンをクリックすると以下をアニメーションで表示:
- 求核試薬が背面から攻撃
- 脱離基が反対側から離脱
- 遷移状態での3つの水素結合の反転
SVGとCSS(SMILはオプション)で実装。
グループとIDを分離して管理しやすい構造にすること。
プロンプト4:ダッシュボード風の進捗アニメーション
サーキュラープログレスバーのSVGアニメーションを3つ並べて作ってください。
それぞれの設定:
- 「速度」: 75%、青
- 「品質」: 92%、緑
- 「コスト」: 61%、オレンジ
アニメーション: ページ読み込み時に0から各値まで2秒かけて増加。
数値もリアルタイムに変化表示。幅600px。
プロンプト5:キャラクターアニメーション
ペンギンがノートパソコンでコーディングしているSVGアニメーションを作ってください。
動作:
- 指がキーボードをタイプする動き(ループ)
- 画面に文字が流れる(コードが流れるエフェクト)
- 目が点滅する
かわいらしいデザイン、幅400px × 高さ400px。
実際のSVGコード例
シンプルなバウンスドットローダー
以下は3つの円がバウンスするローディングアニメーションのSVGコード例だ。ブログに貼り付けて動作確認できる。
<svgxmlns="http://www.w3.org/2000/svg"viewBox="0 0 120 40"width="120"height="40">
<style>
.dot{
fill:#00BCD4;
animation:bounce1.2sinfiniteease-in-out;
}
.dot:nth-child(2){animation-delay:0.2s;}
.dot:nth-child(3){animation-delay:0.4s;}
@keyframesbounce{
0%,80%,100%{
transform:translateY(0);
}
40%{
transform:translateY(-20px);
}
}
</style>
<circleclass="dot"cx="20"cy="30"r="8"/>
<circleclass="dot"cx="60"cy="30"r="8"/>
<circleclass="dot"cx="100"cy="30"r="8"/>
</svg>
これをHTMLファイルに<div>の中に貼り付けるだけで動く。ファイルサイズはわずか数百バイトだ。
フェードインするフロー図
<svgxmlns="http://www.w3.org/2000/svg"viewBox="0 0 600 120"width="600"height="120"
font-family="sans-serif">
<style>
.box{
rx:8;ry:8;
stroke:#4285F4;
stroke-width:2;
fill:#EEF4FF;
animation:fadeSlide0.6sease-outboth;
}
.label{
fill:#1a1a2e;
font-size:13px;
text-anchor:middle;
dominant-baseline:middle;
animation:fadeSlide0.6sease-outboth;
}
.arrow{
stroke:#4285F4;
stroke-width:2;
fill:none;
marker-end:url(#arrowhead);
animation:fadeSlide0.6sease-outboth;
}
@keyframesfadeSlide{
from{opacity:0;transform:translateY(-10px);}
to {opacity:1;transform:translateY(0);}
}
/*各要素を順番に表示*/
.s1{animation-delay:0.0s;}
.s2{animation-delay:0.4s;}
.s3{animation-delay:0.8s;}
.s4{animation-delay:1.2s;}
</style>
<defs>
<markerid="arrowhead"markerWidth="10"markerHeight="7"
refX="9"refY="3.5"orient="auto">
<polygonpoints="0 0, 10 3.5, 0 7"fill="#4285F4"/>
</marker>
</defs>
<!-- ボックス1 -->
<rectclass="box s1"x="10" y="40"width="110"height="40"/>
<textclass="label s1"x="65" y="60">RSS収集</text>
<!-- 矢印1 -->
<lineclass="arrow s1"x1="121"y1="60"x2="148"y2="60"/>
<!-- ボックス2 -->
<rectclass="box s2"x="150"y="40"width="110"height="40"/>
<textclass="label s2"x="205"y="60">AI要約</text>
<!-- 矢印2 -->
<lineclass="arrow s2"x1="261"y1="60"x2="288"y2="60"/>
<!-- ボックス3 -->
<rectclass="box s3"x="290"y="40"width="110"height="40"/>
<textclass="label s3"x="345"y="60">記事生成</text>
<!-- 矢印3 -->
<lineclass="arrow s3"x1="401"y1="60"x2="428"y2="60"/>
<!-- ボックス4 -->
<rectclass="box s4"x="430"y="40"width="130"height="40"/>
<textclass="label s4"x="495"y="60">WordPress投稿</text>
</svg>
上記はAIコンテンツ生成のフローを順番にフェードインで表示するSVGだ。ブログの記事内に直接貼り付けられる。
活用できる場面
ブログ記事の図解
プロセスや仕組みの解説記事に動く図解を入れると、読者の理解が深まる。「クリックで動く」インタラクティブ要素は離脱率の低下にも効果的だ。
ランディングページのヒーロービジュアル
LPのファーストビューに動くアニメーションを入れる場合、従来は動画(MP4/WebM)か重いGIFを使っていた。SVGなら軽量でSEO(ページスピード)にも優しい。
プレゼンテーション資料
Google Slides、PowerPoint、Keynoteに直接埋め込める。プロセス図やアーキテクチャ図を動かすと、説明が格段にわかりやすくなる。
SNS素材
X(Twitter)はSVGを直接投稿できないが、ブラウザでSVGを開いてスクリーンショットやOBS録画でGIF/MP4に変換する使い方がある。Geminiが生成したSVGをベースに高品質なコンテンツを作れる。
教育コンテンツ
数学の関数グラフ、物理の運動シミュレーション、化学の反応メカニズム——複雑な概念をインタラクティブに説明できる。Duke大学のデジタルメディア研究室も、Gemini 3.1 ProでSN2反応シミュレーションを作成して教材として活用している。
Gemini 3.1 Pro vs Claude Artifacts:どちらを使うべきか
Claudeも「Artifacts」機能でSVGやインタラクティブなHTMLコンテンツを生成できる。公平に比較しておこう。
Gemini 3.1 Proの強み
- 推論性能が高い:ARC-AGI-2ベンチマークで77.1%を記録。複雑な構造のSVGでも論理的に組み立てる
- 大規模コンテキスト:1Mトークンのコンテキストウィンドウで、既存のコードベースや長い仕様書を丸ごと渡せる
- リアルタイムデータ連携:ISSの軌道データをリアルタイムで取得して可視化するような応用も可能
- Google AI StudioのUI:生成したSVGをその場でプレビューしながら修正を繰り返せる
Claude Artifactsの強み
- Artifacts UIの使いやすさ:生成されたコンテンツが右側にリアルタイムプレビューされ、コードと動作を並べて確認できる
- コード品質:Claude 3.7 SonnetはSVEのコードの正確性と可読性で評価が高い。エラーが少ない
- 対話的な修正:「もう少し丸くして」「色を青に」といった自然言語での修正が直感的
- ツール連携:Claude Codeと組み合わせてファイルシステムに直接書き出したり、既存プロジェクトに組み込んだりできる
どちらを選ぶか
| 用途 | 推奨 |
|---|---|
| 複雑なシミュレーション | Gemini 3.1 Pro |
| ブログ用のシンプルな図解 | どちらでも可 |
| 既存コードへの組み込み | Claude Artifacts |
| プレビューしながら試行錯誤 | Claude Artifacts |
| 長い仕様書から一発生成 | Gemini 3.1 Pro |
結論として「競合ではなく、用途で使い分け」が正解だ。両方試して出力を比較するのが一番良い。
Tips・注意点
SVGはブラウザでそのまま開ける
生成されたコードをanimation.svgとして保存し、ブラウザで開くと即プレビューできる。VSCodeで編集しながら確認する方法も使いやすい。
属性のミスに注意
SVGは1文字のタイポでレンダリングが崩れる。Geminiが生成したコードをそのままコピーし、ブラウザの開発者ツール(F12)でエラーを確認する習慣をつけよう。
複雑すぎるアニメーションは分割依頼
「全部入り」のプロンプトを一度に出すと生成が安定しないことがある。まず「静止状態のSVGを作って」→「次にこのボックスにフェードインアニメーションを追加して」のように段階的に進める方が精度が上がる。
WordPressでの使い方
WordPressにSVGを埋め込む場合、セキュリティプラグインがブロックする場合がある。信頼できるSVGに限定してAllowed SVGsプラグインやwp_kses設定で許可する必要がある。
SMIL vs CSS Animation
SVGのアニメーション手法は主に2つある:
- CSS Animation:ブラウザ対応が広く、既存のCSSスキルが使える。推奨
- SMIL(Synchronized Multimedia Integration Language):SVG独自のアニメーション記法。Chromeで一部非推奨になったため、プロンプトで「CSS animationを使って」と明示した方が安全
まとめ
Gemini 3.1 ProのSVGアニメーション生成は、2026年2月時点で「試してみる価値がある」レベルから「実際に使える」レベルに到達している。
特筆すべきは:
- Google AI Studioで無料から試せる
- テキストプロンプトだけでコピペ即使用のコードが出る
- Gemini 3 Proと比べて推論性能が2倍以上向上しており、複雑な構造のSVGでも崩れにくい
ブログの図解をGIFや静止画ではなくSVGに置き換えるだけで、ページ速度の改善と視覚的な訴求力の向上を同時に達成できる。Claude Artifactsと組み合わせながら、目的に合ったツールを使い分けていこう。
まずはGemini.google.comを開いて、「シンプルなローディングアニメーションSVGを作って」と入力してみてほしい。
Sources:
– Gemini 3.1 Pro Generates Animated SVGs for the Web
– Gemini 3 vs Gemini 3.1 Pro – SVG Animation (Simulation) – Duke Digital Media Community
– Gemini 3.1 Pro: A smarter model for your most complex tasks
– Gemini 3.1 Pro – Simon Willison
– Gemini 3.1: Features, Benchmarks, Hands-On Tests, and More | DataCamp
– Gemini 3.1 Pro for Designers: A Practical Guide
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