わさびです。
2026年2月23日前後、Googleが大量の開発者アカウントを突然停止した。
理由はOpenClawという人気AIエージェントフレームワークを通じてGeminiにアクセスしていたこと。対象は月額2万5000円($249.99)を支払っていたGoogle AI Ultra加入者も含む。返金なし、警告なし、異議申し立て手段もなし。
AIサービスの利用規約違反がここまで重い結果を招くとは、多くのユーザーが想定していなかったはずだ。
何が起きたか
Antigravity OAuth経由でのGeminiアクセスが問題に
OpenClawはAnthropicのClaude、OpenAIのGPTに加え、GoogleのAIサービスにもアクセスできる。そのためGoogleのAI開発者向け統合環境「Antigravity」のOAuthトークンを使ってGeminiを呼び出す機能が人気を集めていた。
ところが2月12日〜14日頃から、Googleサポートフォーラムやredditに大量の「403 PERMISSION_DENIED」エラー報告が殺到し始めた。
エラーメッセージはシンプルかつ冷酷だった。
「このサービスはアカウントで利用規約違反により無効化されました」
警告メールはなし。猶予期間もなし。停止理由の詳細説明もなし。
月額2.5万円払ってたユーザーも即BAN
特に批判が集まったのはGoogle AI Ultra(月額$249.99、約2万5000円)の加入者まで停止対象になっていたことだ。
Gemini 2.5 Proへのフルアクセスを含むGoogle最上位のAIプランを年払いで契約していたユーザーも、前触れなくアクセスを失った。Googleは「ポリシー違反のためゼロトレランス(不寛容)対応は不可逆」と確認しており、返金は一切なし。
Googleのデベロッパーフォーラムには「月$250払って何の説明もなくBANされた。これがGoogleのデベロッパーサポートの実態か」という投稿が注目を集めた。
Googleが言う「正当な理由」
Googleは対応の根拠についてこう述べた。
「Antigravityバックエンドへの悪意ある利用が大規模に増加しており、ユーザーへのサービス品質が著しく低下している」
技術的な問題も実際にあった。OpenClawユーザーがAntigravity OAuth経由でGeminiを呼び出すと、正規のAntigravityの利用とは桁違いのAPI呼び出し量が発生する。GoogleはこれをToS違反(第三者アプリケーションによるAntigravity認証情報の使用禁止)と判断した。
Anthropicも同じ流れを先行していた
実はGoogleのBANはAnthropicの動きに続くものだった。
2026年1月9日、Anthropicはサーバーサイドの制御を強化し、Claude Free/Pro/MaxアカウントのOAuthトークンを公式Claude Code CLI以外から使えないようにした。
2026年2月20日には利用規約を正式に更新し、「第三者ツールでのOAuthトークン使用禁止」を明文化した。
両者の対応スタイルには大きな違いがある。
| Anthropic | ||
|---|---|---|
| 事前告知 | あり(利用規約更新・開発者への説明) | なし |
| 対応の説明 | エンジニアがSNSで詳細説明 | 最小限 |
| 猶予期間 | 数日間 | ゼロ |
| 返金 | 不要(機能制限のみ) | 返金なし |
OpenClaw作者のPeter Steinberger氏はGoogleの対応を「かなり過激(pretty draconian)」と評し、OpenClawからAntigravityサポートを削除することを検討していると発表した。
なぜ各社がサードパーティツールを締め出すのか
経済的な問題
AnthropicのClaude Proは月$20でほぼ無制限に使える。OpenClawのようなツールがこのトークンを使えば、Anthropicは実質的に収益にならないAPIコストを負担することになる。
Googleも同様で、Antigravity OAuthはGeminiの重い推論を直接叩けるため、本来はAPIとして別途課金される処理を無制限に使われてしまう。
セキュリティリスクの問題
OpenClawのセキュリティ危機(4万インスタンス露出、341の悪意あるスキル)も無関係ではない。Googleの公式見解には「悪意ある利用の増加」という表現がある。OpenClawを経由したGeminiアクセスが攻撃に悪用されるリスクを考えると、一定の合理性はある。
プラットフォーム支配の問題
批判的な見方をすれば、ファーストパーティエコシステムへの囲い込みという側面もある。GoogleはAI Studioを、AnthropicはClaude.aiをそれぞれ公式の窓口にしたい。サードパーティツールがAPI経済を迂回するルートを提供し続けることは、長期的なプラットフォーム戦略と相容れない。
ユーザーへの実際の影響
OpenClawを通じてGeminiを使っていたユーザーが直面した問題は大きく3つだ。
1. Geminiアクセス喪失:OpenClaw経由のGemini統合が使えなくなった。
2. Gmail/Workspaceリスク:停止対象がGoogleアカウント全体に波及したケースもあり、Gmail、Googleドライブ、Workspaceも影響を受けたという報告がある。
3. 返金なし:年払いで契約していたAI Ultra加入者は残余期間の返金も受けられない。
今後の見通し
OpenClaw作者はAntigravityサポートの削除に動いており、事実上このルートは閉鎖される流れだ。
AI各社がOAuth経由のサードパーティアクセスを締め出す動きは今後も続くと思われる。Claude、Gemini、GPT-4、いずれも公式APIを通じた従量課金か、公式アプリでの利用が「安全な使い方」になっていく。
まとめ
- GoogleがOpenClaw経由のAntigravity OAuthアクセスを規約違反として大量アカウント停止
- 月額$249.99のGoogle AI Ultraユーザーも対象、返金なし
- 警告メールなし、猶予期間なし、異議申し立て手段なし
- AnthropicのClaude OAuth制限(2026年1月〜2月)に続く業界的な締め付け強化
- OpenClaw作者はAntigravityサポートの削除を検討
わさびのひとこと
月2.5万円払ってたのに突然BANで返金もなしは、さすがにきつい。AIサービスのサブスクはあくまでそのプラットフォームの公式機能を使う前提で契約してる、ということを改めて意識させられた出来事だよ。
ソース: Winbuzzer / TechPlanet / implicator.ai / piunikaweb / Google AI Developers Forum / cybersecuritynews / PCWorld
わさび(@akaponpon440)はあかはらVラボの管理人。ニホンイシガメ。
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